前回に続き、V903Tでデザイン的に不満のある部分をご紹介していきます。
電話帳
電話帳というと携帯のかなり初期の頃から搭載されている機能で、Sony Ericssonのジョグダイアルがついているようなもののようにハードウエア的に付加機能がついているもの以外はどの携帯もあまり使い勝手は違わないだろうと思っていた機能で、ある意味で衝撃でした。
V903Tは実質的に名前順以外での整理をすることはできません。いままでPanasonic、Sony、SANYOなどの携帯を使ってきて電話帳の整理はグループ単位で整理をしていました。電話帳を開くと、グループごとに整理されて名前順に並んでいるというのがよくあるパターンです。
でも、V903Tは違いました。それができないのです。V903Tにもグループという概念はありますが、グループというよりはどちらかと言うとタグをつけるというイメージで、グループを検索条件に指定することしかできません。グループを検索条件に使うには電話帳画面で「メニュー」→「9 グループ検索(7番以上の項目は一度スクロールが必要)」→グループを選択→「メニュー」→「2 実行」と最低 6ストローク以上のキー操作が必要です。電話帳にほぼ満タンの500件ぐらいの登録をしている人であればこれでも十分有用でしょうけれども、私のようにせいぜい100件ぐらいしか登録していない場合にはその程度の操作に6ストロークも費やすのであれば、最初から名前順で探した方が速いというなんとも情けない作りになっています。
昔ホームページのデザインの本にユーザは3ストローク以上かかるようなページにはよっぽど興味がなければ行かないからそういう風にデザインしないようにということが書かれていましたが、この機能はまさによっぽど必要性がなければ使われない機能になっています。
先ほど実質的に名前順以外に使えないといいいましたが、実はもう一つユニークなモードがあります。「誕生日順」です。・・・・はっきり言って全くもって不要です。誰が100人もの誕生日を覚えていてそれを使った方が検索が速いのでしょうか?林やぺーさんですか? そもそも、携帯に誕生日とか入れないし(とくにビジネスで利用する場合は相手の誕生日を知っていることはまれでしょう)。
操作と一貫性の無いプレゼンテーション
これは実家にある東芝のビデオデッキでもそうだったのですが、ユーザインタフェースデザイナが居ないんだなあと実感したのはこの辺りです。V903Tではカメラの機能が充実しており、露出補正が -2.0EV〜2.0EVの間で調整することができます。この調整を行うキー操作とその表示が問題でした。
キー操作は左ボタンでマイナス側に補正、右ボタンでプラス側に補正になるのですがなんと表示は縦になっているんです。キー操作と表示の方向が違っていることで、操作に違和感が出てきます。キー操作で上、下はズームに使われているようですが、ズームについては特にビジュアルなモード表示をしない訳ですからこのキーを入れ替えるだけでもっと良かったのかもしれませんし、キーの入れ替えが難しければ画面表示を工夫すれば良かったと思うのですが、残念ながらどちらにもなっていませんでした。
このように、いろいろ細かい点を上げていくともっとたくさんあげられる気がするのですがこれぐらいにしておきます。この1ヶ月半で感じたことは次のようなことです。
- 操作性に一貫性が無い: おそらく、操作性について統括するような責任者の方が開発プロジェクトにいらっしゃらなかったのではないでしょうか。いらっしゃったとしても、実質機能していなかったのかもしれませんがどちらにしてもそう思えます。
- 万能の「メニュー」ボタンに頼りすぎている: V903Tを使っていくにはかなりの頻度で「メニュー」ボタンを使わなければ目的の機能を実行することができません。いままで使った携帯では、わざわざメニューから「実行」なんて選ばなくても十字キーの中心にある決定ボタンを押せば良かったのですが、そうはなっていませんでした。このようにメニューに頼りすぎていることはどちらかと言うと開発者の甘えか、プロジェクト管理者がそのために工数を用意しなかったのかのどちらかでしょう。
- 利用シーンを想像したユーザインタフェースになっていない: V903Tはいろいろな機能がありますが、それを強引に詰め込んだと言う印象がしてなりません。そして、それらの機能はあまり利用シーンを想像していないかのごとくバラバラになっていて、連携しづらく、それが使い勝手を低下させています。これは、ユーザインタフェースのデザインを統括するような方と、どのような機能を提供するかに責任を持っておられる方がうまく連携できていなかったのではないかと想像できます。
以上は、すべて想像の範囲であり、この製品のリリースに向けて努力されてきた設計者、開発者の方々の苦労を非難しようという目的のものではないことをご理解いただければと思います。
V903Tを購入してからそろそろ1ヶ月ちょっとになりました。この製品は正直なところ、ここ近年で購入したもののなかでワースト1位に輝くと言っていいほど使いにくいものでした。
たまたまなのかもしれませんが、実家にあるビデオデッキも東芝製でそれも同じようにがっかりするというか、怒りが混み上がってくるほど使いにくいもので、こういう偶然が重なると「東芝さんにはユーザインタフェースデザインのデザイナーは居ないのでは?」と思えてくるほどです。
使いやすさ/使いにくさというのはある程度個人差があるので上記のようにがっかりする人も入れば、そうでない人も居ると思うのですが、少なくともV903Tのそれは、設計以前の段階で失敗しているように見えました。失敗しているように見える部分を列挙してみます。
文字入力モードのポケベルモード
かな入力時はいいのですが、英数字入力時もポケベルモードのままです。マニュアルにもそう記述してあるのでバグではないのでしょうが、設定項目で「かな入力方式」と謳っていながら英数字の入力モードにまで反映されるのには納得がいきません。

かな入力時にポケベル入力をするときにはキートップの文字と対応するのでいいのですが、英字の場合は必ずしも一致する訳ではなく、入力すべきキーストロークと文字の対応表を頭に入れておかなければ行けません。少なくとも以前使っていたPanasonicやSANYOの携帯ではこのようなことはありませんでした。
使いたいところで、使いたい機能が呼び出せない
たとえば、データフォルダ機能で、写真を整理することができるのですが一覧表示時には写真の削除ができるのですが拡大表示時には削除はメニューにありません。すこし見づらいですが次の写真は(左) 一覧では削除があるが、(右) 詳細表示では削除が無いのがおわかりいただけると思います。詳細表示はメニューをスクロールしても「7 サムネイル保存」しかなく、削除はやはりできません。

これが逆だったら、まだ納得がいきました。同じような写真を何枚かとってよくピントの合っているものだけを残す作業をしているときには、いちいち一覧に戻るとどれだったかわからなくなってしまいます。利用シーンをイメージしながら設計できなかったことを表しているように思いました。
着信音量の設定
音量の設定をする際に、いままで使っていた携帯では設定済みの着信音がなったのですがV903Tでは標準のピピピピーという音に固定されています。着うたのように実際に音楽にあわせて聞いてみないと音量がイメージしづらいものがあるのにこの手の抜き用にはがっかりしました。
もちろん、無音の着信音が設定されていた場合、着信音の設定だけではわからないという苦情があってそれに対処したものかもしれませんが、逆に、着信音量の設定は正しいのにならないという苦情があるでしょうから、全く持ってこの問題は手抜き以外の何者でもないと思いました。
V903Tはメガアプリ(1MBのJavaアプリ)対応ですが、最初にバンドルされているアプリケーションはGPSを使うためのゼンリンいつもナビです。
今のところこれはまだあまりよく使い込んでいないのでまた別の機会に紹介しますが、最近はまっているのはA列車で行こうVというゲームで、鉄道会社を経営するようなシミュレーションゲームです。個人的に、このシリーズはPC-9801の頃のA列車で行こうIIIからA列車で行こうIVあたりが特にお気に入りでパソコンをつけたらそのゲームをやっているという時期があったものです。
その当時、たしかPCエンジンか何かにも移植されていたのですが、このゲームはパソコンの広い画面、記憶容量をうまく使ったパソコン用ゲームらしいゲームだという印象も同時に持っていました。
最近はまっているVodafone用A列車で行こうVは、ゲームのスペックでいうとA列車で行こうIIIよりも簡素になっています。IIIでは株式取引ができたり、電車ごとにどの駅で折り返すかなどが決められた
記憶がありますが、携帯版Vではそのような機能は省略されており、メインの鉄道経営のみに注力するようなものになっています。
先日ゲームをやっているとすぐにバッテリが切れてしまうとお伝えしましたが、このA列車で行こうというゲームはシミュレーションゲームであるためにずっと動かしておかないと会社が成長しないという困ったタイプのゲームだと思っていました。しかし、よくA列車で行こうVのページをみてみるとリジューム機能というのがあることが書いてありました。これは、Vアプリを一時停止している間に経過した実時間を基にその時間までゲームを動かし続けていたことと仮定して一気にシミュレーションのみを続ける機能です。
この機能によって少なくともこのアプリを楽しむことに限定すれば電池の持ちは関係なくなりました。おそらく、同様にほかのアプリもそのような機能を持てば電池の持ちは改善するでしょう。
インターネット上では電池の持ちが悪いという評価がいくつかみられますが、おそらくこれ以上大容量化するのはサイズ、価格、発熱などの制約から難しいでしょうし、どちらかというとソフトウエア的に小電力化するか、使い方も小電力に使うようにしていくしかないでしょうね。
V903Tですが、インターネットで購入した人の感想を調べてみると、あまり良くない評価がされている方が多いような印象がします。
確かに、その評価通りと感じるところもあり、たとえばバッテリは1000mAhと大容量化されているがナビゲーションやゲームなどのJavaアプリケーションを使うとわりとすぐに電池切れになってしまう。また、操作方法も前もっていた携帯J-SA51と比べれば複雑に感じます。
これは携帯という商品全体に言えることかもしれないのですが、多機能化、ボディーのデザインは目立つものの、ソフト面で「こだわり抜かれている」と感じた携帯はそれほど多くないように思います。少なくとも自分で使ってきた携帯ではこだわり抜かれたソフトを搭載していると思ったものはありません。
これは携帯のソフトウエアエンジニアのレベルが低いということではなく、どちらかというともう少しビジネス的な問題のように思います。分野が少し違うものの同じソフト屋さんとして、ソフトにこだわりを入れるのがとても難しいということがよくわかる。例えば、分業化の悪夢、俺たちは下請けじゃない!などの記事を見ていただければさらにイメージしやすいかも。
V903Tを買う前の検討で、ほぼ前身といえるV902Tが存在していたことで、V902Tよりはソフトウエアは洗練されているだろうとの予測をして選んだのですが、おそらくGPS導入という作業はその洗練をする暇を与えないほど大きなインパクトを与える機能だったのでしょう。
GPSの使い道としてナビゲーション以外に、写真にその撮影位置を記録する機能、アドレス帳にも位置情報を追加、メールで位置情報を追加と様々な可能性を模索しているようで、おそらくは、この模索の段階で多くの時間を割かれ、仕様変更を余儀なくされ、結果基本的な機能の使い勝手向上は犠牲になったんだろうとイメージできます。
しかし、いくら開発者の苦悩があったとしてもその結果影響を受けるのは買ってしまった消費者。次はどうしたらV903Tをもっと存分に使えるかを検討してみる予定です。
前の携帯、J-SA51のバッテリの持ちが悪くなり、また前から通話が聞き取りにくいなどいろいろ問題があったので2年ぶりに携帯を買い替えることにしました。
今回買ったのは最近出たばかりの東芝製V903Tです。

これはGPS内蔵がウリで、目的地までの道を歩行者の視点でナビゲートしてくれるというちょっと面白い機能が備わっています。
あまり携帯の機能を使いこなせない人なので、どちらかと言うと機能の豊富さよりも見た目やボタンの押しやすさを重視しているのですがこの携帯は、いま出ているVodafoneの携帯の中では一番気に入りました。
J-SA51からの乗り換えということで一気に世代が上がり、着うたにも対応しているし、SDメモリカードもついているし、カメラはきれいな192万画素だし。と、まだ全然使いこなせていないほどいろいろな飛躍がありました。
V903Tで特に驚いたのはデジカメ機能の強さです。まあ、最近の携帯は電話+デジカメが主な機能なので、10万画素のJ-SA51を使っていたひとでなければそれほど驚きは無いかもしれませんが、露出補正もできるし(+2.0EV〜-2.0EV)、ホワイトバランス調整もできるし、エフェクトもリアルタイムに掛けられるしと本当にデジカメ顔負けです。
ところで一番のウリのGPSですが、精度はまあまあというところでしょうか。車と違って歩行者向けの位置特定というのはより精度の高い測量が必要となりますが、GPS衛星からの電波の状態によってはだいぶ違う路地を地図が指し示している場合があります。
まだ買ってからそれほど良く使い込んでいないのと、まだ買ってから見知らぬ土地をうろうろしていないこともあってまだそのありがたみはわかりませんが、晴れた休日はちょっとどこかに出かけようと思わせる魅力があります。