優秀な物理計算エンジンPhunでまた遊んでみました。今回は、ボールの落下シミュレーションをしてみました。箱の中いっぱいにボールを詰め込んで、出口の広さを変えながらすべてのボールが出終わるまでの時間を調べてみます。なお、今回も動画に音は入っていません。
最初は出口の広さがボール2つ分。ボールがつまってほとんど出てきません。

このボールの詰まり方は、アーチ構造になっています。アーチ構造は非常に強いので、上からたくさんのボールの重みがかかってもなかなか崩れません。ちなみに、専門用語ではこの現象のことを「アーチング」というそうです。
つぎは出口の広さがボール3つ分の場合。ひとつ分広くしてもやはりひっかかりが多くみられます。アーチができたり崩れたりを繰り返しながらボールが落下していきます。
次は出口の広さがボール4つ分の場合。完全に流れが止まってしまうことはほぼなくなりました。ただよく見るとまだアーチはできあがっているようです。

7〜8個のボールによってアーチが作られることがありますが、3〜5個のボールによって作られていたアーチと比べて構造的に弱く、できあがってもすぐに崩れてしまいます。ただ、それでもアーチができあがっていることによって全体的な流れのスピードが遅くなっています。
次は出口がボール5つ分の場合。ほとんどアーチングはみられなくなり、全体的にスムーズに流れるようになりました。
続いて出口がボール6個分の場合。アーチングはみられなくなりました。これは、「6倍の経験則」と言われていて、粒子の直径に対して出口の広さが6倍以上あればアーチングがほぼ起こらず流れがスムーズになることが知られています。JR山手線の6つドアの新型車両はこの経験則に基づいていて、ドアの広さの合計が人間の肩幅60cmに対しておおよそ6倍の360cm以上になっているそうです。
ついでに出口の広さがボール7個分の場合。6個分の場合と同様にスムーズに流れます。ボールが出終わるまでの時間を計ってみたところだいたい次のようになりました(動画取りとは別に行っているので、結果は動画のものと異なります)
- 出口の広さボール2個分 : 8分26秒
- 出口の広さボール3個分 : 44秒
- 出口の広さボール4個分 : 23秒
- 出口の広さボール5個分 : 12秒
- 出口の広さボール6個分 : 10秒
- 出口の広さボール7個分 : 7秒
- 出口の広さボール8個分 : 7秒
Phunはまだまだいろいろと研究ができそうですね。また何かネタが思いついたらやってみようと思います。
