パソコンというアイテムは、何でもできるというふれこみで売られていることが多いのですが、実際のところ何でもしようと思うとなかなかうまくいかないことがよくあります。特に、後々拡張して・・というのがくせ者です。
一番最初に所有していたPC-9821Xsというマシンは、当時パソコンはかなり高価だったこともあり、徐々にいろいろな苦労をしながら拡張して使っていました。また、一時期は自作マシンとよばれる、パーツを買ってきて組み立てるパソコンを持っていたのですが、それも幾つか拡張をしながら使っていました。
ここで拡張をする、というのは「性能を向上させる」という目的と、「新しい機能を追加する」というもののどちらかです。それぞれ、性能を向上させるための拡張や、新しい機能を追加するための拡張を行ってきましたが、どうしても自分でやっていると何らかの問題にぶつかって、結構時間がとられてしまうのです。それでも、学生の頃で時間もふんだんにありましたしたし、そういう機械いじりも好きだったので何の疑問も無くいろいろいじりながら問題を解決していましたが、社会人になってそれほど多くの時間をかけていられなくなったことと、ソフトウエアを含めて拡張をしていくという事自体に少し疑問を持ち始めたことから、いまはなるべく購入時に実現したいものすべてがそろっているものの方が、長期的に見ても使用目的を明確化できて、そういった割り切りから使用シーンを限定することで使いやすさと愛着を手に入れるという方を重視するようになりました。
拡張をしない、という立場に立つと実はパソコン選びはもっと違う面から見ることができるようになります。Windowsパソコンは、いろいろな周辺機器があって、最新のマルチメディア機器がすぐ使えるようになるのですが、最初から搭載されるようになるまではけっこう時間がかかり、その点でWindowsもMacもそれほど大きな差はありません。むしろ、Macの方が周辺機器でもそれぞれの機種でよく検証されていることからトラブルが少なく、無駄な労力をかけないですむことが多く感じられます。
Appleの最近のパソコンのシリーズのうち、iBookとiMacは特に、拡張をしなくても使っていける機種だと思います。この潔さが、3年半前にiBookを選んだ理由となり、未だに愛着をもって使っていられる理由なのかも知れません。
コンピュータ系の仕事をしているためか、パソコンを購入する際にどれが良いかという相談をたまにうけます。昔はパソコンショップでバイトしていたこともあったので、パソコン事情にはそれなりに詳しかったのですが、いまは業務用のコンピュータを扱うことの方が多いですから最新のパソコン事情からはかなり遠ざかってしまいました。
ただ、そうはいってもパソコン初心者の方から見ればまだまだうんと詳しいつもりですから、何らかの答えを出さなければ行けません。そんな中で選考基準となるのはそのパソコンに対して愛着がわくかどうかです。もちろん、予算の制約を第一にクリアしなければ行けないのですが、愛着がわくものであればもう少し予算を増やしても後々の満足度は意外と高くなるものだからです。
では、どういうパソコンまたはコンピュータは愛着がわくんでしょうか。買えなかったもの/買えないものも含めていままでで思い出深いコンピュータを思い出してみます。
- NEC PC9821Xs : 初めて手に入れたパソコン(’94年)。変なクセがなく、素直で使いやすいパソコンでした。出荷時の装備に比べて、拡張可能な容量が大きく、少しずつお金を貯めて拡張していった思い出深い一台です。
- NEC PC9801NS/R: PC9821Xsを買う前に、検討していたノートPCです。ディスプレイはモノクロで性能もそれほど良くありませんでしたが、バッテリの持ちがよく、また角張ったデザインも飽きがこなさそうでした。
- 米SGI Indy: これも結局、買うに至りませんでしたが未だにそのデザインの優秀さには目を見張ります。また、高級ワークステーションという響きも所有感をくすぐるのでしょう。Indyと同じ時期のIndigo 2や、Onyxなんかも同様にカタログを見ていて飽きない存在でした。
- Sony PCG-505: このノートPCのリリースはとても衝撃的だったことを覚えています。それまでのノートPCにないスタイリッシュなデザイン、衝撃の薄さ。いまも後続のシリーズがあるのかもしれませんが、デザインはこの時点で薄型ノートPCとして完成されたものだったように思います。ただ、一方で実際に使ってみるとオプションのCD-ROMドライブを持ち歩いたりする必要があり、あまりスタイリッシュに使えないということに気づき、後にパソコンには一通り使う機能が内蔵されているべきという考えが根付くきっかけにもなりました。
- 米Apple iBook (16MVRAM): いままさに使っているPCがこれです。いま現行機種であるiBook G4のうんと前の機種ですが、デザインはほとんど変わっていません。このPCはCD-ROMドライブや各種接続のためのコネクタが一通りそろっており、また白で統一されたポリカーボネートの筐体はさすがAppleと思わせるデザインです。ここでお気に入りの機種として iBook G4が含まれないのは、キーボードの質感が変わってしまったこと、iBookのフォントがApple LiSansからApple Gothicに変わってしまったこと、CPU速度が900MHzぐらいになったときからボディの色が白地に透明のものではなく、全体的に白色になってしまったことが理由です。
- 米Apple PowerPC G5: 圧倒的な存在感、動作音を下げるためにファンを減らすのではなく増やして回転数を下げるという発想が印象的でした。未だに欲しいと思いますが、ノートPCの手軽さに慣れてしまったいまではデスクトップ型のPCは一歩引いてしまいます。Steve JobsがこれからはノートPCの時代が来ると言ってPowerBook G4 17インチを発表したことは、言われてみればその通りだと強制的に納得させられる気がします。
- 米Sun SunFire X4100: 最初見たときはあまり気にしていませんでしたが、よく知るにつれその完成度の高さに気づかされます。使い道とお金があればぜひ一台欲しいと思いますが、あいにくどちらもありません。最近はAppleのiMacでカラフルなコンピュータがもてはやされたのが一巡して、シンプルなシルバー系のコンピュータが多いような気がします。IBMの黒くて重厚感のあるものや、SONYの青系のスタイリッシュなものも捨てがたいですが、多様なインテリアにあわせようとするならばシルバーは妥当な解なのかもしれませんね。