ひがさんの記事が盛り上がっているようなので話題に参加しておきます(^^;
個人的な感覚として、単価を上げる原動力は組織の力であって、プログラマーの能力とは直接関係しないと思っています。ひがさんはコミュニケーションオーバーヘッドから品質と単価の関連性を指摘されていますが、それは直接的にプログラマーの単価に影響を及ぼすことはほぼないというのが個人的な感覚です。なぜならば、一人のプログラマーがいかにすばらしい成果を出すとしても、それが単価、つまり通常発注する平均価格を吊り上げるためにはあまりにも影響力が少ないと感じるからです。今日のシステム構築は大規模かつ複雑なものが多く、一人二人ですべてを作り上げることはほとんど無理です。このため、仕事は社内であっても、社外であっても組織に対して発注されます。単価とは、この組織が働くときの評価額であって、個人の評価や、成果物の評価とはあまり関係しません。

ある組織のAさんが、常によい成果をもたらすとしても、Bさんが足手まといとなるなら単価をあげる交渉をすることは難しくなるでしょう。このとき、Aさんをシニアプログラマ、Bさんをアシスタントプログラマというようにジョブタイトルを分けて単価評価を分けることもできますが、それは組織をジョブタイトルによって分割しただけで、プログラマー個人のAさんとしての評価ではありません。あるスタープログラマーの知名度を利用して、ジョブタイトルや組織のブランド力を高めることができるかもしれませんが、実際にそこまで一個人のプログラマーが組織に対して影響力が与えられるケースはあまり多く見かけません。

あるプログラマがご指名で、単価を提示されることがあるかもしれません。これは、確実にそのプログラマ個人の評価です。ただ、組織としてご指名でプログラマを切り売りするのは、ビジネスとして難しいかもしれません。組織には、ベースラインとなる能力レベルはあっても、個々に見れば能力の高い人もいれば低い人もいて、安定的に仕事をすることを考えれば、相対的に能力の低い人がしばしば仕事がない状態では組織としてうれしくありません。能力の低い人にも、現場で活躍し、売り上げをあげ、また能力を伸ばしてもらいたいと考えます。このため、営業やプログラマのマネージャはまんべんなく仕事が割り振られるように、ご指名での差別化された単価で仕事を受注することに躊躇すると思います。単価が決まる過程は組織、業種、業態によってさまざまかと思いますが売る側、売られる側という最低二つの側面から考えても、個人の能力や成果によって単価を向上させるのはかなり難しいだろうというのが個人的な感覚です。プログラマがいかにがんばろうとも、ビジネス上うまく行かなかったシステムに対して多くの単価を支払うことは、心理的に抵抗感が生まれて不思議はありません。プログラマがいかに成功しようとも、ビジネスコンサルに失敗していたら十分な対価を気持ちよく支払ってもらうことは難しいはずです。お客様からみれば、ビジネスコンサルもプログラマも、自分のビジネスを支える「組織」です。

ところで、今回のもともとの話はプログラマの地位についての話だったと思います。地位とは、いろんな解釈があります。給与や単価もそうでしょう。しかしながら、プログラマ個人として単価の向上が難しいため、方向性としては別の価値観を模索すべきではないかと思っています。単価はあくまで組織として向上を目指すべきですし、組織を管理する者の責任でもあるはずです。小規模な、売り切りのソリューションを構築する以外の場合、個人の努力によって単価を向上させるのはかなり難しいはずです。このため、プログラミングに対する誇りは間接的な「お客様の評価」を向上させたこと以外に難しく、直接的な対価として数値化することは不可能とは言わないまでも、ほとんどの場合無意味でしょう。地位とは、単価だけでなく、尊敬されることによっても確保されると思います。個人的に、いちプログラマとしては単価が向上するよりも、より尊敬される存在になるほうを重視したいと思っています。より尊敬されるためには、より美しいコードを書くよりも、よりビジネスに役に立つコードが必要なことを理解していなければならない点に注意しなければならないのですが、報酬を向上させるためだけに働くのならば、いずれ売る側と買う側の対立という基本的なビジネス構造の壁にぶつかり「プログラマの地位を向上させる」という基本的な目標を忘れ、場当たり的な行動に出るか、単に仕事を投げ出してしまうことになりかねません。抽象的な結論ですが、プログラマは尊敬によって評価されるべきであり、単価向上を目標とすべきではないと考えます。

11:56 PM on 2月 13th, 2009
これ以上国内の単価が上がると
オフショアがさらに加速しそうで怖いっす。。
高品質高付加価値より、そこそこの品質で
安い方が嬉しいお客様も多いのではないかと。
新人?3年目がやってもそこそこの品質で
仕上がるための仕組み化に力を入れてほしい。
あ、でもそうなると中国人がやっても同じような
品質になるからやはりオフショアが進むか。。
同じ土俵で勝つ自信が無いので進路を迷い中です。><
12:05 AM on 2月 15th, 2009
内容と全然関係のない写真がとてもおいしそうで、おいしそうで(笑。
> 抽象的な結論ですが、プログラマは尊敬によって評価されるべきであり、単価向上を目標とすべきではないと考えます。
僕もそう思います。
1:27 AM on 2月 16th, 2009
T.Oさん、
特に昨今の経済状況から見ると「いかに単価を安くするか」という短絡的な指標によって、仕事が左右されるような気もします。おっしゃるとおりただ黙って指をくわえてみているとオフショアによって仕事が奪われてしまうかもしれません。
一方、プロジェクトマネジメントの経験則で、「納期」「品質」「コスト」を考えたときに満足できるのは最大でも2つであることが知られています。オフショアの場合、コスト・品質が良い場合でもコミュニケーションオーバーヘッドから納期については妥協しなければならなくなるのが一般的な傾向です。
このため、地の利あるいは言語上のアドバンテージもある日本のプログラマにはまだまだオフショアに負けないやり方があるはずです。もちろん、それは組織の方針によるバランスもあるのでとても難しいと思います。でも、何かに強ければ何かに弱いはずという思考を常に持っていれば、打開策は見つかると思います。それに、プログラマはそういう打開策を見つけるのが割と得意な人種だとも思います。
1:31 AM on 2月 16th, 2009
はしもとさん、
いつも関係ない料理写真ばっかりですいません (^^ゞ
今回は銀座のジャイタイというタイ料理屋の料理です。携帯のカメラで撮りましたが、最近のはきれいにとれますね。
プログラマが尊敬を集めることができるようないい方法が思いつくといいですね。でも、今のところ、IT土方と言われるように従順にプログラムを書くという仕事に思われてしまっているのもまた事実。どうしたらいいかはわかりませんが、少しずつ何かアクションを起こしていくしか無いですね。
11:08 PM on 2月 17th, 2009
[...] 蛇足ながら、前エントリ「Re: プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を上げること」に少し補足しておきます。前エントリではプログラマの単価が、プログラマの能力や成果にほとん [...]